園舎を建てたいと思った時、大きな課題や見えていない問題など様々な壁が立ちはだかります。
建てることを諦めずに、思いをかたちに変えた事例を紹介します。

CASE1 『敷地内高低差10m(建物3階建て分の傾斜地)
駅近にある敷地を有効活用して保育園をつくりたい!』

そこは交通量が多い国道に面し、
道路レベルから急降下している傾斜地でした。

傾斜地に建築する場合、切土、盛土による敷地の整備をすると、
開発行為に該当してしまいます。

また、補助金を受けるためには、工事期間のリミットがあります。

  • 課題

    開発申請による工事の長期化
  • 『擁壁で傾斜を受け止める』を
    『建物本体が擁壁になる』へ変換

建物躯体で傾斜を受け止める構造とすれば

  • 開発申請 不要 
  • 工事期間 短縮
  • 補助金申請可能

CASE2 『市街化調整区域内で園舎を建替えたい!』

要望
  • ●市街化調整区域内にある幼稚園の園舎が老朽化しているため、全面建て替えをしたい。
  • ●建て替えに伴い幼稚園⇒認定こども園に移行したい。
課題 現状の幼稚園から、こども園へ用途を変えて建替えするにあたり、
調整区域内での建築許可を受ける要件として
法42条1項道路(幅4m以上の道路)に接道しなければならない。市条例でも1項道路に接道しないと必要面積の園舎を建てることが出来ない。)

 ・・・しかし、
敷地は市街化調整区域内であり、既存敷地の接道は
法42条2項道路(昔からある幅4m未満の道路)のみである。

解決 隣地を購入して1項道路につながる敷地として開発許可を受けました。

メインアプローチは1項道路側から
広いアプローチが実現
車いす使用者用駐車スペースも確保

CASE3 『既存園舎を運営しながら建替えたい!』

要望 園児の受け入れは継続的に行う必要があり、建替え工事期間中も保育環境の質と条件を満たしたい。
課題 仮設園舎を建てる ⇒ 建築コストが余計にかかってしまう。
仮設園舎用敷地の確保も必要。

 ・・・仮設園舎を建てずに継続的に運営するには。

解決

1期工事
既存園舎の半分を解体
保育運営に影響のない部分を先行解体

2期工事
新園舎を新築
既存園庭に新園舎全体を新築
利用者と工事用の動線を分離し安全性に配慮

※接道の経緯については
『市街化調整区域内で園舎を建替えたい』を参照

3期工事
既存園舎の残り部分を解体、園庭整備

1期工事 既存園舎の半分を解体

既存園舎と工事エリアの間は部分的に透明仮囲いを設け、子ども達からも工事の様子が見えるようにしました。
自分たちが過ごす新しい園舎ができていく様子を間近にみることができます。

2期工事
新園舎を新築中

建築中は近隣の畑を子ども達の遊び場としてお借りしました。

3期工事
既存園舎の残り部分を解体、
園庭整備完了

南向きでなくてもプランで解決

  • 保育室は南面からたっぷり採光確保

  • 北側園庭に面した廊下は全面サッシで
    開放的な空間に